学生会館のメリット・デメリット

学生会館とは

企業が運営・管理を行う学生専用の寄宿舎を学生会館といいます。学生寮と同様に食堂があり、共同の設備がありますが、基本的に居室は一人部屋です。
学生寮と賃貸物件の中間の存在といえるでしょう。

トイレやお風呂、食堂が共同の施設となっていて、門限といったルールが設けられています。食堂では食事が出るのが一般的です。
学生会館によって違いがあり、入居者と親睦を深めるイベントを開催するところもあれば、入居者間の交流がほとんどないところもあります。
居室は個室になっていて、机やベッド、エアコンなど一人で暮らすには最低限の家具がついています。
ついてない家具はレンタルサービス可能なところもありますので、入居前に家具をそろえる必要がありません。

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学生会館と学生寮の違いとは

学生寮と異なり、運営が企業のため学校からの補助はありません。清掃は入館者の分担制ではなく業者が対応してくれますが、その分費用が発生します。
また、契約期間の管理費を分割先払いだったり、入館料が発生したりと一時的に大金が必要になるので注意してください。
途中解約ができなかったり、解約金が発生したりと制約が厳しい場合もあります。
留学や編入を考えている場合、対応できない可能性も考えておきましょう。

学生会館のメリット

セキュリティがしっかりしている

学生会館はセキュリティがしっかりしています。オートロックや監視カメラ、赤外線センサーなど24時間体制で防犯をしてくれるので安心です。
また、管理人がいて不在時の宅配の受け取り、訪問販売の対応などもしてくれるので面倒ごとも避けられます。

家具が揃っている

家電製品やベッド、机だけではなく、カーテンといった一人暮らしだと自分でそろえないといけない家具も当然のように備えつけられています。入居後、スムーズに新生活のスタートを始められるでしょう。
居室に洗濯機はないところがほとんど。そのため、ランドリールームというコインランドリーのような共同施設で洗濯をします。
洗濯機は無料で使えて、乾燥機も有料ですがついているところが多く便利です。
共同施設は清掃業者がきれいにしてくれるので、衛生面でも優れています。

栄養バランスの考えられた食事

学生会館には寮夫・寮母さんがいて、朝晩の食事を準備してくれます。
学生会館によっては管理栄養士がついていて、栄養バランスを考えたメニューを考案。栄養バランスだけではありません。
味も学生の口に合うように要望を聞きながら調整してくれるので、家庭的で飽きのこない食事が食べられます。

キッチンコーナーや浴場

食事の出ない日は自分で調理することも可能です。一人だけではなく皆で調理することでできるので同級生や先輩たちとワイワイ楽しみながら調理を楽しめます。
浴場は手足が伸ばせるほど広いので、ゆったりと入浴できます。シャワーのみも利用できるので、遅く帰った日や朝、シャンプーで髪を洗いたい場合に利用できて便利です。

学生会館のデメリット

時間に対する規約が多い

学生寮と同様に学生会館にも門限があり、時間に対する規則は厳しく設けられています。
門限だけではなく、食事やお風呂の時間も決められているので、時間にあわせた行動ができなければいけません。
食事やお風呂の時間を過ぎてしまうと食事ができなかったり、お風呂に入れなかったりします。
そのような規則が窮屈に感じられて、友達とのつきあいやサークル活動が満足にできなくなるかもしれません。
しかし、この規則を逆手にとって気の進まない飲み会は「門限がある」と途中で切り上げられるので、上手くつきあっていくといいでしょう。
規則正しい生活を送るのには、学生会館のほうがいいともいえます。

家族や友達、恋人を部屋に呼べない

自分の部屋に家族や友達を呼びたいと思うことがあるでしょう。一人暮らしであれば、好きな時に呼べますが学生会館ではそうはいきません。
個室になっているとはいえ、学生同士が共同で施設を利用している場所です。
訪問者を呼ぶ場合、事前に手続きをしないといけません。急に友達や恋人を呼びたいと思ってもできないので注意しましょう。
また、訪問者は家族であっても同性のみというところも多く、どんなに親しくても異性は呼べません。
自分の部屋に友達を招くのが好きな人にはストレスに感じられるでしょう。
しかし、門限と同様に逆手にとって、部屋にいきたいという館外の友人・知人に「禁止されているから」と断れます。

学生寮に比べ費用が高め

学生会館は企業が運営しているところが多く、セキュリティや食事など最新設備を整えているため、学生寮に比べ割高に感じられることも。
学生の保護者にとっては費用には目を瞑って、安心して学生生活が送れるように学生会館を選ぶケースが多いようです。
しかし、住んでいくともっと安いところでもいいのではないかと思ってしまう学生がいるのも事実。
高い費用を払って規則に縛られるなら一人暮らしがしたいという気持ちになりやすいそうです。

学生会館に向いている人

一人暮らしが不安な人に向いているといえるでしょう。
食事のついた学生会館の場合、自炊や外食をしなくてもよく、栄養バランスの考えられた食事をとれる点は魅力です。
自炊したくない・できない人にはよいでしょう。
さらに友達を作りたい場合も学生会館は向いています。学生会館では季節ごとにクリスマスやバーベキューなど学生同士の親睦を深めるイベントを開催しているので寂しくありません。
寮長や寮母が常駐しているので、生活におけるサポートをしてくれます。

学生会館の費用

学生会館の入館には賃貸物件を契約するのと同じように初期費用が必要です。学生会館の場合、入館費、保証金、年間管理費といったものがあります。
入館費は10~20万円程度で、賃貸物件でいう礼金に該当し、退去時に返金されません。
保証金は敷金にあたり、退去時のクリーニング費用に使われます。金額は5~10万円ほどです。
最後に年間管理費ですが20~25万円になります。水道光熱費や雑費、管理費に該当し1年ごとに支払いが必要です。
学生会館によっては一括ではなく、月々に分割して支払うところもあります。

賃貸物件の賃料にあたるものが館費です。館費には食事代を含むところもあれば、そうでないところもあります。
館費は住む場所によって金額が変わってきますが、基本的に一人暮らしをする賃貸物件と大差はありません。
3~8万円ほどで、都心部のほうが地方より高くなってきます。もちろん、場所だけではなく部屋の広さや設備によっても変動します。
都心部の学生会館だと6~8万円ほどと考えておいてもいいでしょう。

食費が別の場合、2万円程度です。朝食と夕食を提供される学生会館が多いので、昼食を含めると3万円ほどが月の食費と考えていいでしょう。
一人暮らしの場合、食費の平均は月2,3万円といわれているので栄養バランスの考えた食事の出る学生会館のほうがお得といえます。

まとめ

学生寮と混同されやすい学生会館ですが、学生寮と同様に食事が出て、学生間の交流がしやすいメリットがあります。
また、学生寮だと相部屋が多いのですが、学生会館だと個室のためプライバシーが確保されるのはうれしいところ。
家具や家電といった設備もすでに設置されているので、入学前に買いそろえる必要がありません。
大学時代を安心して楽しく過ごす場所として学生会館を選んでみてはいかがでしょうか。
4年間住む場所にふさわしいか保護者の方とよく相談して考えるようにしましょう。