学部選びは早ければ早いほどよい
学部を選ぶには早いに越したことはありません。高1には文系か理系かを決めなければならないため、それまでにどのような学部があるのか調べておきましょう。
高2の秋ごろには高3で履修する科目を選択します。そのときに選択した科目が受験で使う科目となるため、高2の秋までに志望する大学・学部を決めておきましょう。
学部の選び方
自分と向き合う
自分自身を見つめ直してみましょう。長所や短所、興味・関心があるものを紙に書いてみたり、家族や友人・教師に聞いてみたりするのもいいかもしれません。
また、自分の得意科目だけではなく、楽しいと思える科目から考えるのもありです。受験では必要がなくても、経営や経済を学びたいなら数学、理系でも英語論文を読む英語力が必要になります。
単に得意・不得意だけで選ばないようにしましょう。
そして、進路決定は大学の偏差値やブランド力、評判ではなく、自分が学びたいと思う学問の専門性が重要です。
自分にとって魅力的な内容を学べるのか、入学してから何を学べるかを重視して考えてみてください。
将来就きたい職業と結びついているか
医師になりたいと思ったなら医学部に進まなければいけません。このように将来就きたい職業から逆算してみると学部が決まったりします。
地方公務員を目指す場合、学歴要件は設けられていませんが一般行政職の場合、採用試験では国語、数学、社会、理科、英語といった問題が出題され幅広い教養が必要です。
専門試験では大学レベルの専門分野の問題が出題されます。この試験では経済や法律についての問題が多いため、そういった知識があると有利でしょう。学部だと経済学部や法学部などになります。
このように選択すべき大学・学部はおのずと決まってきます。
国家資格の合格が必要な職業の場合、その分野の学部が有利といえるでしょう。
一方で必ずしも資格を必要としない事務職やサービス業の場合、学部を問わず就職できるケースが多いのも事実。
ただし、特定の職業で必要になる専門知識を学べる大学もあるので、職業との関連性は良く調べておきましょう。
似た名前の学部を比較する
大学では学部の新設や改組、名称変更がよく行われています。そのため、名前からどのような内容が学べるのかわからない学部も増えてきました。
似たような名前の学部でも学べる内容が違うことが多いので、本当に学びたい内容があるのか確認しましょう。
進学にかかるお金を考える
進学する大学・学部によって学費は大きく異なります。志望大学が通学圏内ではない場合、一人暮らしも考えなければいけません。
入学金や授業料などの学費だけではなく、教材費や実習費、検定試験料なども必要です。
近年は学生を呼ぶために奨学金制度が充実した大学も増えてきました。大学だけではなく国や地方自治体、民間の奨学金制度もあります。
私立でお金がかかるから選択肢から外すのではなく、奨学金制度について調べておきましょう。
希望する大学・学部のお金についてシミュレーションしておくと必要なお金を把握できます。
施設や設備、サポートもチェックする
高度な学びを得るためには、施設や設備といった学習環境も重要です。大学では講義やゼミを受ける教育棟、実習や研究をする研究棟などさまざまな施設があります。
このような施設が充実しているのかもチェックしておきたいポイントです。
例えば図書館の場合、蔵書の収納や閲覧といった従来の機能だけではなく、学習を支援するために論文指導や研究をサポートする専門家を置いていたりします。
また、研究成果を公開して新たな研究に役立てるために博物館を置く大学もあるので、チェックしてみてください。
オープンキャンパスで、学内の施設を見学・体験できるので、気になる大学があれば参加してみるといいでしょう。
学部選びは誰でも苦戦する
医師なら医学部、弁護士や検事なら法学部とイメージしやすい学部ならいいのですが、実際にそのように卒業後の進路を考えて決める人は多くありません。
興味のある中から学部を選ぶ人や、受験ぎりぎりまで決まらない人もいます。
理系だと学ぶ内容が決まっているので、適当に決めると後悔するパターンが多いようです。文系の場合、幅広い分野を学べるため何とかなるようですが、学部をきちんと選ぶに越したことはありません。
学部選びが重要なわけ
講義に参加する意義を感じなくなる
合格ができたからと大学・学部を選んだ場合、大学の講義に参加する意義を感じなくなったという学生が多くいます。
大学を卒業するだけが目的で、単位を取るためだけに講義を受ける結果になるでしょう。
しかし、目的意識を持った学生も多くいます。それらの学生は自分の中でやりたいことが明確で将来のために講義を受けているはずです。
就職活動を考えた場合、企業が魅力的に感じるのはどの学生でしょうか。
目的意識を持てる大学・学部を選びたいものです。
就職活動では学歴が絶対ではない
偏差値の高い大学のほうが就職活動で評価されると思っている人が多くいます。実際に学歴も評価の対象です。しかし、就職活動では学歴だけが見られるわけではありません。
「大学で何を学んできた」かが評価されます。学歴だけで大学・学部を選ぶのではなく、学びたいと思う学部の中で偏差値の高い大学を選ぶべきでしょう。
目的意識を持った仲間ができる
学部ごとに集まる学生には傾向があります。目的意識を持って学部を選んだのであれば、同じような夢や目的を持った仲間が多く集まるでしょう。
社会では人と人とのコミュニティはとても重要です。大学では本気でつきあえる仲間を作ってほしいと思います。
学部選びを失敗した人の意見
学部の名前だけで選び授業内容にギャップがあった
特に文学部に多いのが、学部の名前だけで授業内容をイメージしてしまうパターン。
例えば文学部の場合、文学を学ぶものだと入ってみると歴史や文化など、希望とは違った授業内容だったという意見が聞かれました。
また、中国語を学ぶために文学部の中国文化学科に入ったが、中国語を学んだのは1年生だけだったという声も。
どんな内容を学ぶのかを調べて学部を選ばなければ、入学して後悔するようです。
苦手科目も必修だった
得意なことや好きなことだけ学べるとは限りません。苦手科目の授業が必修なところも多いようです。
「保育士になるために保育学部に入ったが、資格を取得するには美術や法律の授業も取らなければいけなかった。」
「教員免許を取得するための教育学部で、入試は国語と英語のみだったが、数学の履修があって苦労した。」
といった、意見が聞かれました。
目指す職業と授業があっていない
将来、目指している職業と授業にギャップがあったという意見もあります。
「教員免許を取れれば、どの学科でもいいだろうと思って合格した大学・学部に入ったが、授業内容に興味が持てなかった」
目指す職業の資格を取れればOKというわけではなく、その学科で何が学べるのかも調べておきましょう。
まとめ
ここまで学部選びの重要性を述べてきました。
入学後にギャップを感じてもカバーすることは可能ですが、入学してから「こんなはずでは」とならないように今からしっかりと調べておきましょう。
自分が将来何をしたいのか・何をやりたいのか目的意識を持って大学・学部を考えてみてください。
大学・学部選びは、今後の人生を大きく左右する選択になります。この記事を読んで悔いがないようにしていただけたら幸いです。