文学部でできることって?
「文学」と聞くと、国語や古典のイメージをする学生さんも多いでしょう。
「なんだかよくわからないけど、文字で表現しているもの全般」と認識している方がほとんどではないでしょうか。
間違いではありませんが、文学部で扱う研究対象として、口承で受け継がれている「平家物語」やオペラ、日記、俳句等も含まれていますので、「文学」が扱う分野の広さが伺えます。
つまり、文学部とは、とある作品やその作者を探求し、思想や歴史、言語、行動科学的な観点から研究をするという学部と考えられます。
哲学や歴史学、文学を学ぶ
メインとなる内容には、哲学、歴史学、文学があります。
「哲学」の歴史は古く、なんと紀元前のギリシャで発祥したとされる学問です。
「正義とは?」「自己とは?」「愛とは?」「生きるとは?」「時間とは?」という、聞かれても答えることが困難とされる問いを考える、それが哲学と言えるでしょう。
つまり、「物事の本質を考えること」ということですね。
もちろん「絶対」の答えがあるワケではなく、皆が納得できる答えである、という認識になります。
哲学とは、答えを出すことが目的ではなく、そこに至る過程や対話、洞察することに意義があるのです。
「歴史学」は、過去に起こったあらゆる事実を検証して分析を行う学問です。
人間のルーツを辿り、歴史を読み解き、理解することで、未来に生かす材料にするのです。
例えば、なぜ戦争は起きたのかを理解すれば、戦争をなくす為にはどうすればいいか、考えるヒントを見つけることができるかもしれません。
「文学」とは、文芸理論、文芸評論、文芸創作等の分野があり、日本の作家であれば、夏目漱石や芥川龍之介といった作家の作品について研究をする、文学の基本となる学問です。
この人文学とも言われる学部では、文学をはじめ、哲学や歴史学も学ぶことができます。
作家を目指すことはできる?
文学部で学んだら、作家になれるのでは?というイメージがありますが、実際に文人の道に進める人はごく限られた人であり、実際のところ、文学部出身だからなれるとも限りません。
文学部を出た卒業生が進む進路には、教育、金融、建設、製造、情報通信等の業界から、小売業や公務員まで幅広い分野に渡っています。
特に、出版関係や印刷業界に進む人が多いようです。
文学部では、教員免許の資格の他、図書館の司書や、博物館で働くことができる学芸員の資格取得に関する勉強することができます。
大学で4~6年もの時間をかけて文学を勉強した学生は、本や芸術の価値を理解できる人に育つのでしょう。
文学部に向いている人とは、読書が好きな人をはじめ、歴史や哲学、人間についてもっと深く掘り下げてみたいという「知ること」に興味を持つ人と言えるでしょう。