学生寮のメリット・デメリット

学生寮とは

大学が運営する寄宿舎を指します。学校までの距離が遠く、交通が不便な学生のために学校側が用意した住居です。
学生寮では複数人の学生がともに生活するため、家族以外と共同生活を経験できます。一人暮らしでは経験できない人との距離感や接し方、上下関係を身につけられるでしょう。
トラブルが発生しないように規約が設けられていて、門限や共有スペースの使い方、掃除当番といったものがあります。

関連記事:合格が決まったら暮らすお部屋を探そう!

学生寮のメリット

寮費が安い

普通の賃貸物件に住むとなると都心の場合、ワンルームだと5万円を超えた家賃が必要です。
しかし学生寮の場合、安いところなら数千円のところがあります。
数万円の寮もありますが、賃貸物件に比べると格安で住めるところがほとんどです。
また、入寮費は高くても数万円ほど。敷金や礼金、仲介手数料などが必要な賃貸物件に比べると初期費用も安く抑えられるのはメリットといえるでしょう。
日本学生支援機構の調査によると、一人暮らしをする学生の生活費は年間約212万円であるのに対し、学生寮だと年間約188万円となっています。
年間24万円と大きな差がつくので、学生寮は経済的な恩恵が大きいといえるでしょう。

食事が提供される

学生寮によっては寮費にプラスとして食費を支払うことで朝夕の食事を提供されるところがあります。食費は高くても1万円ほどです。
一人暮らしになると自分で献立を考えて自炊しないといけません。手間だからと外食やコンビニに頼っていると月々の食費が高くなるだけではなく、健康面でも心配です。
この手間が省けて、学業に集中できるでしょう。栄養バランスを考えた食事が提供されるのは本人だけではなく、親御さんにとっても不安を取り除けます。

管理人・寮母がいる

知り合いもいない土地で一人暮らしをするのは本人、親御さんは不安を抱くかもしれません。しかし、学生寮なら親代わりとなる管理人・寮母がいます。
体調が悪くなった場合、病院へ付き添ってくれたり、郵便物の受け取りをしてくれたりと寮生が安心して暮らせるようにサポートしてくれるでしょう。

友人ができやすい

同じ学校に通う同級生や先輩と共同生活を送るため、早い段階で多くの知り合いを作れます。
寮内にはいつも人がいるので、ホームシックにもなりにくくなります。
寮生と長い時間を一緒に暮らしていくうちに関係も深くなるでしょう。
勉強や進路で行きづまったところがあれば、同級生や先輩にいつでも相談できる人がいるのは学生寮のメリットです。

最新設備の揃った学生寮もある

少子化の影響もあり、地方から学生を集めるため設備に力を入れている学生寮も増えてきました。
中にはダイニングルームやパブリックバス、ランドリールームなどの施設が使える学生寮もあります。

学生寮のデメリット

人間関係が面倒

学生寮が敬遠される一番の理由といっていいでしょう。学生寮には色々な性格を持つ人たちと共同生活をします。
中には性格のあわない人がいるかもしれません。個室なら顔を合わせる機会を減らせるかもしれませんが、シェアして部屋に住む場合は我慢が必要。
お風呂やトイレが共同のところだと、中には湯船に浸かるのは上級生からという学生間のルールがある学生寮もあるそうです。
学生寮に住むなら人間関係が重要になってきます。

規則が厳しい

学生寮には門限や外泊の許可が必要など、規則が設けられています。学生寮には関係者以外、入室が禁止されているため友達や恋人を部屋に招きにくい点がデメリットです。
学生間で掃除当番が決まっている場合もあるので、学業やバイトなど予定があると面倒に感じるようです。

普通の賃貸物件との違い

賃貸物件のメリットして自分の好きな場所に住めて、自由に生活できる点にあります。門限もありませんので、時間に縛られません。
しかし、学生寮に比べ家賃が高く、水道光熱費や食費などがかかるので、金銭的な負担は大きくなります。
また、学生寮との大きな違いは家に帰ったら一人かそうではないかです。学生寮なら勉強や進路、生活しているうえで分からないことがあっても誰かに相談できます。
一人暮らしに不安があるのなら学生寮がおすすめといえるでしょう。

学生マンションとの違い

学生寮は部屋や施設が共有のところが多いため、プライベートな空間は学生マンションと比べて少なくなります。
「他人と同じものを使うのがイヤだ!」というプライバシーを重視したい人には学生マンションがいいでしょう。
ただし、学生マンションは学生寮と比較すると家賃が高くなります。また、食事も自炊しなければいけないので、自己管理をしっかりしなければなりません。

学生寮にはどんな人がおすすめ?

大学で多くの友達を作りたいと思っている人におすすめです。大勢でにぎやかな場所が好きな人にとっては、学生寮は最適といえるでしょう。
口下手な人でも毎日、顔を合わせる内、自然に仲良くなれます。
また、一人暮らしが不安な人や生活費をできるだけ抑えたい人にもおすすめです。学生寮は、プライベートな空間がない場合が多いので寂しい思いはしないでしょう。
食事も朝夕出るので、規則正しい生活できます。
どれにも当てはまらない場合は、学生寮に向いているとはいえないでしょう。この場合は、学生マンションや普通の賃貸物件を探したほうがいいかもしれません。

学生寮の選び方

大規模な大学だと学生寮が一つではなく複数の場合があります。その場合、学生寮ごとに規則や寮費が違ったりするため、良く調べておきましょう。
選び方のポイントは、学生寮内の雰囲気をチェックすること。申し込む前に見学できるので、可能なら見学しておきましょう。そこで、自分にあった雰囲気なのか見極めます。
上に挙げたメリット・デメリットだけではなく、住み続けられるかという点も考えておきたいところ。
入寮しても学生寮の雰囲気に慣れず、アパートへ引っ越したという人も多くいます。結局時間やお金がかかってしまうため、冷静に判断したいところです。

入寮の条件について

大学によって入寮できる条件があり、自宅が遠方のため通学が難しかったり、経済的な理由があったりといった条件が必要だったりします。
また、寮生として学生寮の規約を守れるかも条件に含まれている学生寮も多いようです。
中には条件がほとんどないところもありますので、自分が入学する大学の入寮条件をチェックしておきましょう。

学生寮は希望条件に当てはまっているからと入寮できるとは限りません。早い時期に予約でいっぱいになってしまうところもあります。
そうなると抽選や、希望者の経済状況が考慮されて入寮者が決められます。
学生寮に住みたいならば資料を取り寄せたり、インターネットで調べたりと早めの情報収集を心がけたいものです。入学が決まったらすぐに動けるように申し込み開始時期についても調べておきましょう。

まとめ

経済的なメリットや人とのかかわりなど、長い学生生活を考えると学生寮には多くの魅力があります。
しかし、誰にでもあう環境とは限りません。共同生活における人間関係やプライバシーの制限など、バランス感覚が必要になってくるでしょう。
最新の設備を整えた学生寮も増えてきているので、学生寮を利用するかどうかはメリット・デメリットをよく考えて検討することをおすすめします。
ただし、検討に時間をかけ過ぎると定員が埋まってしまうので、なるべく早めに決めて申し込みたいものです。